現行のプリメインアンプのラインアップを教えてください。
ラックスマンのプリメインアンプには2010年8月現在6モデル(NeoClassicoシリーズを除く)がラインアップされています。それらはおおまかに、AB級動作方式の「
L-509u」「
L-507u」「
L-505u」、純A級動作方式の「
L-590AII」「
L-550AII」、そして真空管を増幅素子として使用した「
SQ-38u」の3つに分けることが出来ます。刺激的な音質ではなく、長時間の音楽鑑賞に適した自然でリラックスのできる聴き疲れのしない音質という“ラックストーン”を土台にしながら、それぞれの増幅方式や素子固有の音の特色を楽しむことができ、しかも高機能(フォノアンプ・ヘッドフォン出力・トーンコントロールなど)を有するのがラックスマンのプリメインアンプ・シリーズの特徴です。
純A級動作方式とAB級動作方式というのはどう違うのですか?どちらが良いのですか?
純A級は、無音時から最大出力まで常にたっぷりのアイドリング電流を流し、音楽レベルの大小による増幅動作ポイントの変化が一切無いことによって、入力信号に完全に追従する高い応答性と、密度感のある“濃い”音楽表現を楽しむことが出来る増幅方式です。
一方AB級は、小信号時(数ワットまで)ではA級動作することでA級のメリットを享受しつつ、効率的に大出力を得ることができ、力強く情報量の多い音楽表現を楽しむことができる増幅方式です。
これら方式の違いがありながら、どちらにもラックスマン独自の高音質帰還回路「ODNF(Only Distortion Negative Feedback)が搭載されています。ODNFは負帰還回路のデメリットである帯域による音色の非統一が生む音の不自然さやダイナミックに変化する音楽への追従性などを改善し、増幅時に発生する僅かな歪成分だけをフィードバックするという、無帰還アンプの持つ自然さや高いスルーレートによる反応の良さを生かした画期的な回路です。各モデルではA級/AB級に関わり無く、製品開発時に最も新しい回路バージョンのODNFを搭載しています。
純A級動作方式のアンプを検討するうえで、アンプの発生する熱に関してのご心配については、天板の上方向に15〜20cm以上のすき間を確保していただければ問題ありません。両方式とも機能の差はほとんど無く搭載しておりますので、普段良くお聞きになる音楽ジャンル、設置される場所等よってご試聴のうえお選び下さい。
真空管アンプはトランジスターアンプと何が違うのですか?
文字通り出力素子・増幅回路に半導体(トランジスター)ではなく真空管を用いたアンプです。1958年に真空管パワーアンプMA-7Aを発売して以来、製品ラインアップから真空管アンプを外したことがないラックスマンには、日本国内において最も長い期間真空管アンプの可能性を追求してきたメーカーという自負があります。
そのラックスマンの真空管プリメインアンプ最新モデルが「
SQ-38u」です。真空管アンプ特有の艶と温かみのある音色と最新の音楽ソースにも対応する高いリニアリティや帯域の広さを両立すべく、伝統の回路構成と最新のパーツを用いて設計しています。
また、半導体アンプに比べて数分の一程度という部品点数の少なさも真空管アンプの特徴のひとつといえるでしょう。その部品の少なさゆえに長年お使いいただく上でのメインテナンス性に優れており、さらに「
SQ-38u」では今までの長年のユーザーサポートを通じて、将来的に調達が困難になりそうな部品や経時劣化しやすい部分を把握し、長く安心して使い続けていただくために高品質で安定供給が可能な部品を選びました。
放熱に関しては純A級動作方式のアンプ同様に天板の上方向に15〜20cm以上のすき間を確保していただければ問題ありません。
また、同時にCDプレーヤーもご検討されている場合は、音質やデザインの揃ったD-38uを選んでいただくのがベストです。この2モデルを並べて設置したときの独特の雰囲気あるフォルムはぜひ多くの方に味わっていただきたい魅力です。
同じAB級動作方式のL-507uとL-505uでは何が違うのですか?
「
L-507u」と「
L-505u」の最大の違いは独自の高音質負帰還回路であるODNFのバージョンが3.0(L-507u)と2.2(L-505u)で異なることです。バージョン3.0では2.2に比較して歪検出部の入力段をパラレル化し、歪率やS/N比が改善されています。また、定格出力は8Ω負荷時で「
L-507u」は110W、「
L-505u」が100Wと若干差がありますが、これによって組み合わせ可能なスピーカーが変わることはほぼありません。お好みのブランドやデザインの中から音色の合うものを自由にお選び下さい。外観の特徴としては全てのプリメインアンプの中で「
L-507u」のみ天板が室内照明等の反射も美しいアルミヘアライン仕上げになっています。また限定モデルになりますが唯一「
L-505u」には、本体カラーがシャンペンゴールドのモデルもありますので、既存のシステムとのカラーマッチングを考慮したコーディネートが可能です。その他「
L-507u」のライン入力の1系統には、銅と同等の導電率と真鍮の硬度を併せ持つ20mmピッチのカッパーアロイ製端子を装着していることや、それぞれスピーカーのドライブ能力に比例した電源トランスの容量の違いなどがあります。、リモコンは両機種ともに付属しておりますが「
L-507u」はアルミ製となっています。音色方向は非常に近しい2モデルですので、普段お聴きになるソフトでどの程度の差が出るのかを、じっくりとご確認のうえお選びください。
同じ純A級動作方式のL-590AIIとL-550AIIでは何が違うのですか?
定格出力は8Ω負荷時で「
L-590AII」が30W、「
L-550AII」が20Wと最近のハイパワーアンプからすると控えめな値のように見えるかもしれませんが、それぞれ最大出力はその数倍の余裕度で設計しています。また電源や出力素子の規模は「
L-590AII」は定格出力に換算して160W相当、「
L-550AII」が130W相当と、それぞれに大きく余裕を持たせた大規模な物量を実装していますので、通常の使用環境で音量が足りなくなることはまずないと思われます。ラックスマンの試聴室(24畳程度)では両機種とも大型スピーカーを朗々と鳴らしてくれています。出力構成は「
L-590AII」が3パラレルプッシュプル、「
L-550AII」がパラレルプッシュプルですので、最大出力電流の面では「
L-590AII」が大きくなり、音の厚みや低域の押し出し感の得られやすさという意味では有利です。一方「
L-550AII」はシンプルな出力構成ゆえのクリアさが魅力ですので、製品グレードからくる音質的な差はあれ、お好みはそれぞれかもしれません。外観はシーリングパネルを装備した「
L-590AII」はすっきりとしたシンプルなデザインを実現しており、多くの調節つまみが露出している「
L-550AII」は迫力あるデザインが特徴です。
プリメインアンプのフラグシップであるL-509uは他のモデルと何が違うのですか?
「
L-509u」は一体型プリメインアンプでありながら多機能を言い訳せず、性能や規模などについて純粋にセパレートアンプと同等のグレードを目指した、まさに“ワンボディセパレート”思想を具現化した最上級プリメインアンプです。他のモデルではリモコン操作などのために内蔵されているマイコンを使用しないフルマニュアル機とすることで物理的に生じたスペースは全てプリ/パワーアンプ回路に注がれています。またボリュームコントロール部には、高級プリアンプC-9、C-8f、CL-88などに採用されてきた真鍮製の高精度アルティメートボリュームを搭載し、リモコンでは得ることの出来ないオーディオ機器本来のしっかりとした操作の喜びを体感できます。電源ケーブルにはC-800f/M-800Aのみに採用されている標準品の倍の芯線径を持つJPA-15000を付属するなど、細部にわたってもセパレートアンプクオリティといえる特別なアンプです。プリメインアンプでは従来難しいと言われてきた大編成のオーケストラ演奏をハイクオリティに再生する実力は、まさにこのモデルの真骨頂といえます。
結局どのモデルを選べば良いのでしょうか?
すべてのモデルに方式(AかABか)や素子(トランジスターか真空管か)による音色の違いと、価格による音質(グレード)の差が存在します。その差は良くお聴きになる音楽のジャンルや組み合わせる機器(プレーヤーやスピーカー)によって大きく感じたり、それほどでもなかったりします。もちろん販売店にてご試聴いただくことが大前提ですが、“音色”の差は様々な楽器や声の個々の聴こえ方に影響し、“音質”の差は演奏全体の広さや雰囲気、どれだけ細かく表現し得るか等に影響します。まずはご予算とお好みの音の傾向、そしてお気に入りの音楽。この3要素を公平な判断材料として、ご自分と趣味の近いお友達や販売店の店員さんなどとお話をされながら、じっくりと後悔の無いご検討をなさってください。そしてもしご縁があってラックスマン製品をお選びいただくことになりましたら、後はお客様サポート等を通じての末永いお付き合いを始めさせていただければと思います。