B-1000f'

モノラルパワーアンプ

B-1000f

ラックスマン創業80周年記念のフラグシップモデル
発売:2005年4月   希望小売価格(税抜):¥ 1,800,000 (発売当時)

4×4(フォーバイフォー)アウトプット構成

3段ダーリントンで構成された4パラプッシュプルの電流増幅回路を、全体で※4モジュール使用し、強力なドライブ回路を実現しています。
ODNF出力を2系統として、ダーリントンの1段目をドライブ、その出力をさらに2系統として2段目をドライブする方式で4x4を実現しています。(詳しくはブロック図をご参照ください)。

むやみにファイナル段のパラレル数を増やすことで、入力容量(Cob)の影響が回路全体の歪/高域特性などを犠牲にすることなく、優れた高域特性を持った初段部の性能を最大限に生かすため、最適なパラレル数として4パラ×4モジュールをチョイス。これにより、高い瞬時の電流供給能力を可能としました。

2000W(1Ω)のパワーリニアリティ

あらゆる負荷状況にリニアに追従する動的なパワーは、スピーカーの特性を引き出すために不可欠なものであり、ラックスマンでは、そのために必要とされる力を十分にゆとりを持って供給することがパワーアンプの重要な役割であると考えています。B-1000fではさまざまなスピーカーを自在に駆動する絶対的なパワーを実現するべく、8Ω負荷時に定格出力250Wというゲイン設定に対し、1Ω負荷時に瞬時最大2,000Wとなる理論値どおりの完全なパワーリニアリティを実現し、どのような負荷条件においても、全音量域で、再生する音楽のダイナミズムを一切スポイルすることのない、贅沢な音楽再生を楽しむことが可能となっています。

平型銅巻線のスーパーレギュレーショントランス

電源部には2mm厚の平型銅巻線を直出しした、高結合低損失のEI型スーパーレギュレーショントランスを搭載。平型の巻線を採用することで、損失空間が無くなり、線間容量の低下、結合力の上昇、磁界の安定化など、かつてないほどの高スペックトランスが実現しました。
さらに、さまざまな負荷変動にも微動だにしない強力なレギュレーション性能を誇り、B-1000fのパーソナリティでもある圧倒的なパワー感を実現するための源流となってシステム全体に貢献しています。
容量は定格2,400VA、最大4,800VAのパワーステージ専用トランスをはじめ、用途に合わせた計3つのトランスで構成されています。

電源ケーブルは新開発JPA-20000

あらゆる音楽の場面で、常に必要十分な電源エネルギーを供給する役割を担うのは、B-1000fのために新規開発された電源ケーブルJPA-20000です。強大な規模を誇るB-1000fの出力性能を支えるこのオリジナルケーブルは、付属品のグレードをはるかに超えた贅沢な仕様で標準添付されます。

OFCバスバーによるハードワイヤリング

電源から出力段までの主要ラインを、最大 2mm厚のOFCバスバーにより直結するハードワイヤリング接続。特に、瞬時に大電流の供給が必要な箇所においては、周波数によるインピーダンスの変化も極小化され、音楽の立ち上がりや大音量のクライマックスを圧倒的なパワー感で表現してくれるでしょう。

アースポイントの明確化を実現する3Dスターサーキット

入力信号を確実かつ正確に伝送するためには、各回路における基準点を明確化することが必要です。ラックスマンでは配線基板内におけるアースポイントを常に一定化させる独創のパターンテクノロジー「スターサーキット」を全製品に採用してきましたが、このたび、この思想を3次元に展開した「3Dスターサーキット」を開発。B-1000fではパワー段電源供給ブロックの配線を全て極厚のOFCバスバーによる放射状の配線構造で3次元化することで、絶対的に安定した電源ラインを確保しています。

迷走電流を完全制御するループレスシャーシ構造

B-1000fでは、シャーシ電流によるアースインピーダンスの上昇や発生磁界の影響を隔絶するループレスシャーシ構造を採用。

また、音質に悪影響を及ぼす不要振動の徹底排除とノイズ対策に、ラックスマンが長年培った筐体設計のノウハウの全てを注いでいます。

レジスト被覆を廃したピールコート金メッキ基板

ラックスマンは、基板上の信号ラインを被覆するレジストが音に少なからず影響を及ぼしていることに着眼。そのレジストを完全撤廃することで、線間容量を極小に抑えたピールコート金メッキ基板を全ての回路に採用しました。さらに配線パターンの銅箔は 100μm厚を選択。パターンインピーダンスを低減した周波数劣化の少ない信号伝送を実現しました。

ラックスマンの伝統ラウンド配線パターン

ラックスマンでは、従来よりプリント基板における信号ラインのパターン幅を一定に保ち、必要に応じて描かれる滑らかな曲線が、スムーズな伝送経路を構成するよう細かな配慮をしています。これにより常に信号インピーダンスが一定化し、微小な詰まりやリンギングの発生しない音楽再生が可能となるのはもちろんですが、それ以外にも、ストレスの少ない信号伝送が獲得する音の良さを長年の経験で知っているのです。

高音質帰還回路ODNF最新バージョン2.3を採用

高次元の音楽再現を求め、音楽信号と歪の関係を根本から見直して作り上げた次世代回路が、ODNF回路です。ラックスマンはまず、増幅回路のために位相補正を必要としない超広帯域、ハイスルーレート、低歪回路を開発。従来の負帰還回路(NFB)では避けられなかった位相補正を排除しました。また、NFBの在り方そのものにも着目し、出力から歪成分だけを増幅回路の最終段へフィードバック。NFB手法を音楽信号から切り離すことで、初期スルーレートの速さと超広帯域を獲得しています。

さらに、NFB回路において低域に不自然なカラーレーションを与える要因となっていたDCサーボアンプを排除。これにより全帯域の音色が統一された自然な音楽再生を実現しています。B-1000fではこのODNF回路を出力構成にあわせてモジュール接続した最新バージョン2.3を初めて搭載しています。

音楽に追従する慣性制御のハイイナーシャ電源

従来のレギュレーター電源の考え方は、多量のNFBで電源部を制御し、電源部のインピーダンスを低くすることで電源電圧の変動を見かけ上小さくするものでした。しかし、音楽のリアルタイムと制御が行われるまでの間には確実な時間差があり、ミクロ的に観察すると電源電圧は絶えず小刻みに揺れている結果を生んでいます。

そこで、B-1000fでは、電源トランスのレギュレーションを高め、大容量のコンデンサーにより優れた瞬時供給能力を得るという、従来とは全く異なった手法により小刻みに揺れる不自然な電圧変動をゆったりとした変動に変え、ミクロ単位で観察したさいにはほとんど電圧変動の見られない、自然な供給を得ることが可能になりました。ラックスマンでは、この新しい電源構想を自重により安定動作を得る慣性の力になぞらえ、ハイイナーシャ電源と呼んでいます。

音質への妥協なきこだわり、オリジナルカスタムパーツ

厳選されたカスタムパーツの全面投入は、あらゆる制約を排して開発されたフラグシップモデルの特権といえます。B-1000fでは電源トランスや大容量ブロックコンデンサーにとどまらず、抵抗やコンデンサーなどのパッシブパーツ、OFCバスバーや6Nケーブルなどの配線パーツに至るまで、高度な技術と感性でこだわりぬいたカスタムバーツ群を大量に投入しています。

フラグシップにふさわしい、美しく精緻な意匠

外装は全て丹念に仕上げされたアルミパネルで構成され、四隅がラウンドされたプリミティブな形状とソリッドなたたずまいが、B-1000fの持つ底力を静かに主張しています。

信号遮断スイッチ付きイルミネーションメーター

スピーカーの出力レベルを-72dB~+2dBまでの間でステップ表示するメーターを装備しています。精密に実装されたイエローのチップLEDが、本体フロントパネルに開けられたメータースリットをライトアップし、上品なイルミネーションを実現しています。

また、独立して設けられたメーターオフスイッチは、内部のメータードライブ回路への信号を遮断するかたちでメーターを消灯しますので、回路へ与える負荷変動の影響が発生しない、音質的に最も優れた方式を採用しています。

新素材カッパーアロイ製RCA入力端子

入力端子はオーディオ機器の音質を左右する重要な役割を担っています。B-1000fでは銅と同等の導電率と真鍮の硬度を併せ持った新素材カッパーアロイから精密に切削加工したオリジナルのRCA端子を装着しました。

また、スピーカー端子はYラグなどの端末加工を施した高級ケーブルとも、確実で強固なコンタクトを実現する大型タイプを2組装着。高品位なスピーカー再生に不可欠なバイワイヤリング接続にも対応しています。

アニール処理されたACインレット

電源の入り口であるACインレットは、電極に結晶方向を揃えるための超低温アニール処理後、金メッキを施した特別仕様。電流を一切妨げることのない、スムーズな電源伝送を実現しています。

電源極性を統一するラインフェイズセンサー

B-1000fに接続されるAC100V交流電源の極性をひと目で検知できるよう、ラックスマン独自のラインフェイズセンサーを装備。システム全体の電源極性を統一することで音質のいっそうの向上を図ることが可能です。

他機器との電源連動に便利なリモート端子

専用リモート出力端子のあるコントロールアンプ(ラックスマンC-10、C-9、C-8fなど)と専用リモートケーブルで接続することで、コントロールアンプの電源スイッチに連動して、本機のON/OFFが可能になります。また、本機のリモート出力端子を併用することで、もう1台のB-1000fとの電源連動も可能です。

クオリティに対する自信の証、長期5年保証

B-1000fは、システムの中核として長期にわたり安心してご愛用いただきたい製品です。ラックスマンはそのようなユーザーの方々のオーディオライフをサポートするため、通常製品2年のところ、性能に自信の5年保証とさせていただきます。

B-1000fブロック図

スペック

連続定格出力250W / 負荷8Ω、500W / 負荷4Ω
最大出力1,000W / 負荷2Ω、2,000W / 負荷1Ω
入力感度 1V / 250W 負荷8Ω
入カインピーダンスCoaxial 51kΩ / Att.Off 50kΩ / Att.On Balance 67kΩ
全高調波歪率0.007%以下 / 1kHz 250W 負荷8Ω
周波数特性+0, -3.0dB / ~ 150kHz以上
S/N比118dB以上 (IHF-A)
ダンピングファクター480 / 8Ω
付属装置 メイン電源スイッチ / メインパワー・インジケーター / オペレーション・スイッチ / オペレーション・インジケーター / 入力切替スイッチ / 入力切替インジケーター / バランス入力位相切替スイッチ / バランス入力位相切替インジケーター / アッテネーター・スイッチ (-4dB :定格 100W/8Ω ) / アッテネーター・インジケーター / レベル・メーター / メーター・オフ・スイッチ / コアキシャル入力端子 / バランス入力端子 / シグナル・グラウンド端子 / スピーカー端子2系統 / リモート入力 / リモート出力 / ラインフェイズセンサー / ACインレット
付属品電源ケーブル、専用リモートケーブル、オーナーズマニュアル、保証登録書、安全上のご注意
電源電圧AC100V (50/60Hz)
消費電力439W(電気用品安全法) / 232W(無信号時) / 0.7W(スタンバイ時)
最大外形寸法428(幅) × 295(高さ)× 592(奥行き)mm
重量64.0Kg
※規格および外観は予告なく変更することがあります。

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