M-10 IICustom'

ステレオパワーアンプ

M-10 IICustom

カスタム外装、受注生産
発売:2000年月   希望小売価格(税抜):¥ 930,000 (発売当時)

たった一枚のベールをもまとわず、音楽そのものに触れる快感。ハイパワーアンプとしての圧倒的な駆動力と繊細な音楽のディテールを描き出す豊かな表現力を両立させたM-10が、さらなるクオリティパワーを備えて生まれ変わりました。
300W+300W(8Ω)、BTLモノラルでは900Wへとパワーアップ。さらに超ローノイズ抵抗器など新開発カスタムパーツの大量投入と、新たな回路定数の採用によって、音楽の表情や空間再現性を決定づける微小レベルの再現性を一段と向上。さまざまなスピーカーに対する劇的なドライバビリティと音楽の一瞬一瞬の躍動感やわずかな息づかいまでも鮮明に伝える豊かな表現力によって、M-10IIは、既存のCDフォーマットやアナログソースからかつてない音楽感銘を生み出すとともに、新世代高密度デジタル・オーディオフォーマットの能力をも余すところなく引き出します。

実効出力300W+300W/8Ω、BTLモノラル時900W/8Ωのハイパワー。

音楽のバックグラウンドに存在するかすかな息づかいから、クライマックスの怒涛のような音楽の咆哮を躍動感あふれる底知れないダイナミズムで描き出すパワー。実効出力300W+300W/8Ω、BTLモノラル時900W/8ΩのM-10IIの巨大なパワーは、低インピーダンスタイプを含む多様なスピーカーをゆとりをもって駆動しきるとともに、音楽信号によって時々刻々と変化するスピーカーインピーダンスの変動へも優れた対応力を持ち、スピーカーの特性を十二分に引き出す絶対的な力です。パワーアンプ終段は、片チャンネルあたり8個のマルチエミッター構造大型バイポーラ・トランジスター(Pc200W級)を使ったコンプリメンタリー4パラレル構成。2Ω負荷においては1100W+1100Wもの瞬時最大出力を達成し、音楽の一瞬一瞬の起伏が求める充分なエネルギーをもゆとりを持って注ぎこむ強力なドライブ能力を備えています。

広帯域・ハイスルーレートCSSC回路。

言葉が発音されるとき、子音部がその言葉の音を識別させる重要な要素となるように、それぞれの音のキャラクターを大きく決定するものが、まさに音が立ち上がる瞬間の初期スルーレートにあります。高度な高周波用回路技術を応用し、ハイ・スルーレート特性と広大な帯域表現を実現した理想的回路がCSSC(ComplementarySingleStaggerCircuit)です。初段はデュアルFET差動とカスコード接続トランジスターのコンプリメンタリ-回路。2段目に投入されたベース接地タイプの電流伝送段は、カットオフ周波数が十分に高く、1段目の位相回転のみでアンプ全体の帯域が確保できるため、初期スルーレートが極めて高くとれるとともに、余分な補正の必要がない自然な音楽再生を実現しています。ドライブ回路から最終段には増幅率の高い3段ダーリントン・コンプリメンタリー回路構成とし、圧倒的なスケールでのプレゼンスを実現しています。高域まで自然に伸びた俊敏な立ち上がり。音楽ソースに込められたすべての情報を自然な形のまま増幅する写実性。現行のソースから新たな音楽感動を引き出すとともに、DVDオーディオやSACDに代表される次世代高密度デジタルオーディオフォーマットに対しても、その可能性を活かし切る底知れない音楽表現力がCSSCの真価です。

全ての音楽帯域を自然な音色で統一するNFB技術ODβ回路。

すべての楽器がひとつのアンサンブルを奏でる美しいハーモニーの調和は、低域から高域にわたるまで均一な音質バランスがもたらします。NFB(負帰還)回路は、特性の改善や回路の安定度を確保するために用いられますが、一般的な直流と交流別帰還の方式では、低域に影響の大きいDC帰還を制御するためにサーボアンプを加えて多量のNFBを与えており、中高域と低域の手法の違いから音色に不統一感を生み出す原因を作り出していました。M-10IIに採用されているODβは、音質面から見た最適なNFBの在り方を徹底したもので、回路の裸特性を高度に練り上げ充分な直流安定度を確保することにより、DCサーボアンプを排除して全帯域にわたり音色の統一を可能にしています。

音楽の呼吸と合致する自然な電源供給、独創のハイ・イナーシャ電源。

一瞬一瞬の音楽が求めるエネルギーに呼吸を合わせて供給するハイ・イナーシャ電源による音楽の解放感、生き生きとした躍動感。音楽信号に追随して電源供給をおこなう従来の方式では、音楽信号に対し、常に遅れ制御となることから、ラックスマンでは発想を転換。大容量の電源トランスの搭載によりACレベルでのレギュレーションを充分に高めた上でレギュレーター回路の出力側に極めて優れた瞬時放電特性を持つ大容量特殊電解コンデンサーを新規開発し、投入。常にゆとりある電源をアンプ内部にプールし、遅れ制御を極小化。アンプ回路にとって最も自然な電源供給を可能にするハイ・イナーシャ電源を生み出しました。独立3巻線の800VA大型電源トランスと大容量22,000μF電解コンデンサーを搭載。徹底した低インピーダンス化で高度なレギュレーションをはかり、制御は最小限度に抑えることで小刻みな電圧変動を解消し、アンプ回路にとって理想的な電源供給を実現しました。

よどみのない信号経路、STARサーキット・パターンテクノロジー。

一般のアンプ回路では、電源部から各回路へと送られる供給ルートが共有化されています。これに対しラックスマン独自の“STARサーキット”は、アンプの各増幅段へ個別のルートで電源を供給。これにより増幅基準点を明確にするとともに、アースラインを通じた干渉ノイズを極限まで排除しています。

ノイズ対策を極めたFRPシャーシベースと高剛性ボックス遮断構造。

M-10IIの内部コンストラクションは、振動吸収モードに優れた高質量5点接地のFRPシャーシをベースに、各回路ごとに遮蔽板で仕切られた高剛性ボックス遮断構造を採用。これにより、シャーシ全体の強度を高めるとともに、各回路間の電気的、機械的な相互干渉を排除しています。さらに、各種ノイズ対策の一環として内部の高周波フィルターを強化。微細な信号レベルに至るまで音楽信号の純度を守り、その再現性を高めています。

設計思想を貫徹するカスタムパーツの全面投入。

新開発ラックスマン専用超ローノイズ、低歪抵抗器に加え、大型電源トランス、大容量ブロックコンデンサー、電解コンデンサー、銅スチロールコンデンサー、銅製バスバー、高純度6Nケーブルなど、高密度情報の伝達に優れた高品位カスタムパーツを随所に採用。また、インピーダンス変動を極小化するために70μの肉厚銅箔パターンを採用した絶縁性にすぐれたガラスエポキシ基板を採用するなど妥協のない音質追求をパーツレベルから徹底しています。

多彩な入出力端子と、固定抵抗切り換え型入力アッテネーター。

入力部に左右独立6接点の固定抵抗切り換え型アッテネーターを採用。音質を損なうことなく入力レベルの設定をおこなうことができます。また、マルチ・チャンネルアンプなど、様々な使い方にも配慮し、1V入力時に100Wの出力を得られるリファレンス・ポジションを設定。入力端子にはXLR/RCAの2系統を装備し、スピーカー端子には、バナナ端子の接続も可能な大型3ウエイスピーカーターミナルに加え、プロオーディオ規格のスピコン端子も装備。多様な機器との間での高品位なインターフェースを可能にしています。

音楽エネルギーをアトラクティブに表示する大型パワーメーター。

音楽のダイナミズムを視覚的に表現するパワー表示メーターには大型120×100mmの対数圧縮表示タイプを装備。また、高級シアター・システムとしての使用などにも配慮し、メーター照明のON/OFFができるようにしています。

優雅で端正なたたずまいは、良質の音楽とともに。

メカニカルな精度を感じさせるアルミキャビネットを採用。無垢アルミのフロントパネルには金属の精密感に温かみを加えたヘアライン加工仕上をほどこし、良質の音楽とともに過ごす至福の時間を演出する独自のあじわいを深めました。

スペック

連続実効出力300W+300W(8Ω)/ステレオ時
480W+480W(4Ω)/ステレオ時
900W(8Ω)/モノラル時
入力感度1V/300W(8Ω)
入力インピーダンスCOAXIAL/47kΩ
BALANCE/80kΩ
利得(ゲイン)34dB
全高調波歪率0.005%以下(1kHz/8Ω)0.06%以下(20Hz~20kHz/8Ω)
周波数特性20Hz~20kHz(+0、-0.1dB)
10Hz~100kHz(+0、-1.5dB)
S/N比118dB(IHF-A)
付属装置大型パワ-メ-タ-
入力COAXIAL(RCA)
BALANCE
アッテネ-タ(BALANCE、COAXIAL切替SW兼用)
BTLスイッチ
出力3ウェイ大型万力タイプ
スピコン端子
リモ-ト・パワ-SW用端子
ライン・フェイズ・センサ-
消費電力650W(電気用品取締法による規定)
電源電圧AC100V(50/60Hz)
最大外形寸法467(W)×233(H)×482(D)mm
重量45.0kg
※規格および外観は予告なく変更することがあります。