1925年、日本のラジオ放送の開始とともに産声を上げ、音の世界に独自のこだわりを注いできたLUXMANは、国内および海外においても高級オーディオ製品の優れたブランドとして高い評価を得ています。
人は、自然なものには心を開き、不自然なものには身構えてしまいます。色づけのない自然な響きこそが、人と音楽とのインティメートな対話のひとときをもたらします。
音楽がリスナーの心象にどれだけ自然に、純粋に響くか。それをLUXMANは製品作りの基本としています。演奏家が情熱を注ぎ込み、録音エンジニアが精緻を尽くして収録した音楽。そこに込められた音の微細なニュアンスをも、あますところなく再現し、アーティストの気迫や演奏現場の熱気をも伝えたい。限りなく純粋な音楽の感動をお届けするために・・・。
楽曲のひとつひとつに注がれた作曲家、演奏家、録音エンジニアの熱い想い。さらに、彼らと想いを同じくするLUXMANの情熱を、製品を通して聞き取って頂ければ幸いです。LUXMANは、創業100周年を迎えた現在も、素晴らしい音楽を通して新たな感動を発見し、その歓びをみなさんと共有し続けたいと考えています。
LUXMANのあゆみ
LUXMANは、1925年日本のラジオ放送の開始とともに創業。錦水堂と呼ばれるLUXの前身である大阪の絵画・額縁商の一角にラジオ部を創設。いち早く店頭にラジオ受信機を陳列したところ、その音の素晴らしさに往来の人々はみなが立ち止まり、耳を傾けていました。LUXMANの音質追求の歴史はここが原点となります。
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1925年
錦水堂(1925年)
- 錦水堂は、海外から絵画や額縁を輸入する中で、さまざまな海外の情報を入手。錦水堂の2代目にあたるLUXの創業者は特にラジオに関する技術的な情報を元に実験・研究を重ねていました。
錦水堂ラヂオブック
- 「一読たちまちラヂオ通になれる」と銘打って「錦水堂ラヂオブック」と呼ばれる日本で初めてのラジオ解説書を刊行。始めは自費出版ながら、最後には14版を重ねるベストセラー誌となります。現在のさまざまなオーディオエンジニアにも影響を与えた雑誌として知られています。
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1928年
LUX-1730 (左)とLUX-735 (右)
- LUX-735は、マグネティック・ホーンスピーカーとともに発売されていた当時のハイファイラジオ。
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1952年
OY型出力トランス他
- 創業当時から、海外の優れたパーツ製作技術を乗り越えようと各種のオーディオパーツ製作に取りかかっていたLUXは、OY型出力トランスを始めとするさまざまな高品位パーツを完成させます。
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1958年
真空管アンプMA-7A
- 45/45ステレオレコードが発売開始になり、オーディオの世界もソースの中心がラジオからレコード再生機へと転換を始めます。この年に発売されたMA-7Aは、戦後初めてのフル・アッセンブルによるハイ・ファイ・パワーアンプで、世界特許を取得している独自の技術クロスオーバーNFB回路を採用しました。
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1961年
真空管プリメインアンプSQ-5A
- 初期のステレオ・プリメインアンプの代表作であるSQ-5Aは、パワーメーターを中央に配した個性的で斬新なデザインで人気を呼び、そのハイクオリティなサウンドとともにヒット商品となりました。このモデルは、すでに最近のモデルにも見られるLUXオリジナルのトーンコントロール回路を備えています。
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1962年
真空管プリメインアンプSQ-65
- この年に発売されたSQ-65は、これも特許取得技術であるモーショナル・フィードバック回路を搭載。スピーカーのコーン紙の動きに応じてフィードバックをコントロールする回路技術です。
ゲルマニウム・トランジスタ・フォノアンプPZ-11
- 日本で初めてのゲルマニウム・トランジスタを用いたフォノ・イコライザーアンプPZ-11。小型でスリムなデザインも人気を呼びました。
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1964年
SQ-38DおよびWZ-30
- 木製のキャビネットとアルミ削り出しのフロントパネルのデザインで、真空管を用いたプリメイン・アンプとして誕生したSQ-38は、後にSQ-38D、SQ-38F, SQ-38FD 、そして最近の70周年記念モデルSQ-38Sまで続く人気シリーズ。当時のジャズ喫茶などでは必ずといっていいほど置かれていたハイファ・アンプの定番でした。
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1966年
OTL真空管アンプMQ-36
- MQ-36は、出力トランスを持たないOTL(Output Transformer-Less)アンプ。味わい深い独特の音質でロングセラーを記録したモデルです。
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1968年
プリメインアンプSQ-507
- SQ-505およびSQ-507は、現在のプリメイン500シリーズの原形となるモデル。そのデザインや音質は、ヒット商品のL-507や現在のL-509fなどにも引き継がれています。
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1971-80年
LUXキットブランドロゴ
- アンプ自作派が増えつつあった当時、LUXは「LUXキット」社を設立し、およそ70品目の真空管アンプ、トランジスターアンプ、ターンテーブル、計測器などを発売。オーディオマニアのイニシアティブを取るブランドとなりました。
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1972年
L&Gブランドロゴと製品イメージ
- オーディオを取り巻く空間、オーディオと暮らすライフスタイルへの新たな提案を行うべく、「L&G」ブランドを設立。オレンジ色と白色を基調とした華やかなデザインを取り入れたオーディオシステムは、時代を先取りする高感度なユーザーの支持を得ました。
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1975年
上からパワーアンプM-6000
コントロールアンプC-1000
AM/FM チューナーT-110
- この年、LUXは50周年を迎え、海外への進出も積極的に行うようになりました。ハイエンド・マーケットを狙って開発を行ったM-6000ハイパワー・アンプは、300W×2chの出力と優れた音質で海外でも高い評価を得たモデルです。
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1977年
ラボラトリー・リファレンス・シリーズ
- 機能単位のコンポーネントスタイルを取る新しいオーディオシステム「ラボラトリー・リファレンス・シリーズ」を発売。アンプには、世界初のDCアンプ構成を採用。シンセサイザーチューナーや高性能イコライザーなどの最新のオーディオテクノロジーを結集しました。
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1980年
バキュアム・ディスク・スタビライザー採用PD-300
- アナログレコードの盤面とターンテーブルの間を真空化して吸着させるバキュアム・チューブ・スタイビライザーを搭載したアナログターンテーブルを発売。アナログレコード盤のゆがみによって生じる音質への影響を回避する画期的な機構でした。
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1982年
オープンリールカセット機構
を装備したカセットデッキ
(ワーキングサンプル)
- カセットテープからテープを引き出して再生する新しいメカニズムを開発。カセットテープでオープンリールテープに匹敵する音質を引き出す技術として注目を集めました。
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1987年
フルエンシーDACを採用したDA-07(上)とCDトランスポートDP-07
- 筑波大学の寅市教授による関数補完理論を応用したフルエンシーDACを開発。CDには記録されていない可聴帯域以外の帯域を関数補完により再生成する技術は、CDのオーディオソースとしての可能性を広げるものでした。この技術は、現在のデジタル・ユニバーサル・プレーヤーにも引き継がれています。
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1990年
Philips CDM-3メカ搭載CDプレーヤーD-500X’s
- 不安定な可動部を廃したトップローディング方式採用のCDプレーヤー。現在でも高い支持を受けるフィリップスCDM-3メカニズムや超優秀選別ICであるダブルクラウンチップを搭載するなど、技術の粋を結集した豪華な作りは、今でも多くの愛用者が演奏を楽しんでいます。
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1995年
70周年記念の真空管プリメインアンプSQ-38s
- 創業70周年を記念して発売されたシグネイチャーモデル。出力管EL34をプッシュプルで使用したオーソドックスなウィリアムソン回路を採用し、長年の真空管ノウハウをつぎ込んで音質を磨き上げました。
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1996年
この後10年間フラグシップとして君臨したC-10、B-10
- シャンペンゴールドの筐体にシンメトリカルなエクステリアをまとった新デザイン採用のフラグシップシステム。C-10に採用された高精度な456本の固定抵抗を切り替える4連スーパーアルティメート・アッテネーターなど、新たな技術への挑戦も話題を呼びました。
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1999年
世界初ODNF方式採用カー用パワーアンプCM-2100
- 長年研究されてきた新しい帰還回路ODNF方式を、初めて採用したカーオーディオ用パワーアンプのファーストモデル。ホームオーディオと同じ音質的価値観をカー業界に持ち込んだ製品として驚きをもって迎えられ、その後各専門店/専門雑誌のリファレンス機として使い続けられました。
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2001年
話題をさらったハイエンド向けユニバーサルプレーヤーDU-10
- ハイエンドオーディオの世界にユニバーサルプレーヤーという概念を初めて提案したエポックメイキングなDU-10は、SACDやDVDオーディオといった新たな音楽フォーマットを高音質に楽しむという未知の音楽スタイルに果敢に挑んだ製品として、多くのマニアを唸らせました。
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2003年
LUXMAN初の本格的なマルチチャンネルCU-80、MU-80
- ホームシアターとしてのサラウンドだけでなく、SACDやDVDオーディオの無圧縮高音質マルチチャンネルを楽しみたいという音楽ファンの要望に応えた意欲機。独創的なチャンネル設定の数々も注目を浴びました。
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2004年
独創的なデザインが注目された 真空管アンプCL-88、MQ-88
- 1993年のCL-38/MA-88以来、11年ぶりに開発された真空管セパレートアンプ。従来の真空管アンプ然としたデザインを一度リセットし、デザイナーからの斬新な初期提案がほぼそのまま量産でも採用された稀有な例となりました。
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2006年
80周年記念のフラグシップ超弩級アンプC-1000f、B-1000f
- 10年ごとにリニューアルされるフラグシップ機として、かつてないほどの物量と投入コストの許されたスペシャル機。クオリティへの自信は、開発責任者が自宅へのフルセット自腹導入も決めたほど。
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2007年
コンパクトな真空管システム NeoClassico
- 真空管をデバイスとして選んだからこそ実現した、シンプルでコンパクトなオーディオシステム。機能と音質をA4サイズに凝縮したCD+アンプと箱鳴りを重視した2ウェイスピーカーの組み合わせは、クールな外観とは相反する高い温度感の音色で、オールドファンのみならず、新たなラックスマンファンを獲得しました。
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2010年
PCオーディオを構築するUSB DAC DA-200
- ディスク再生機のD/Aコンバーター部に、パソコンに保存された音楽データを再生するためのUSB入力端子を追加装備したコンパクトなヘッドフォンアンプ。新しい世代を巻き込んで成長し続けるPCオーディオ市場の中で、手軽に楽しめるラックスマンとして大ヒットしました。
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2011年
28年ぶりに復活したアナログプレーヤー PD-171
- CD登場直後の1983年に発売されたPD-350を最後にレコードプレーヤーの開発を止めていたラックスマンが、28年ぶりに発表したベルトドライブ式ターンテーブル。2年後にはリリース直後から望まれていたアームレスタイプをラインアップに追加するなど、再燃するアナログブームの中で存在感を示しました。
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2012年
バランス駆動に対応したヘッドフォンアンプ P-700u
- 2002年、時代に先駆けて発表された本格的なフルサイズモデルP-1から始まったヘッドフォンアンプの系譜に加えられたフラグシップ。それまで一般的ではなかった「ヘッドフォンのバランス駆動」という新たな価値観を提案し、数あるハイエンドヘッドフォンのバランス改造というムーブメントの一端を担いました。
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2015年
日本製300Bを搭載した MQ-300
- 話題のメイドインジャパン300B:高槻電機製TA-300Bを2基搭載したシングル構成8W+8Wの高級機。高能率のバックロードホーンや、JBLパラゴンなど、さまざまなスピーカーとの組み合わせ試聴会が全国の専門店で開催され、真空管ならではのハイスピードで高密度なサウンドが多くのマニアを喜ばせました。
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2019年
ROHM製DAC採用のD-10X
- 生き物の顔と首を表現した有機的なパネルデザインに世界初搭載のROHM製DACを組み合わせ、いじる部分が少ないと云われるデジタルコンポーネントの中では、圧倒的にアナログ的な厚みのある濃厚な音質が話題を呼び、最後のディスク再生機はこれに決定!と思わせる完成度を実現しました。
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2020年
大ヒットモデルを復刻したL-595A LIMITED
- 現代の金属加工技術と最新の回路技術で90年代の大ヒット製品L-570シリーズの復刻を手がけたのは就任直後の末吉社長。当人の思い入れが乗り移ったかのような熱いサウンドは、限定モデルながら多くのオールドファンも手に入れてくれました。
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2021年/2023年
新増幅エンジン搭載のフラグシップC-10X/M-10X
- ついにリニューアルした増幅エンジンの最新版は”LIFES”という人生とオーディオをなぞらえたネーミングによる完全新規回路。セパレートアンプのフラグシップモデルへの搭載を以って、ラックスマンの100周年以降の技術と音質を明確に指し示しました。
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2022年
オリジナルアームを装着したPD-191A
- アナログプレーヤーの復活から11年、いよいよ完全オリジナルアームの開発を手掛けた新作は、あのSAECとの共同開発による10インチアーム。ショートアームの高感度とロングアームの低トラッキングエラーを両立した意欲モデルとして完成しました。
ワンボディセパレート思想のL-509Z
- ひとつの筐体にセパレートアンプのクオリティを内包する”ワンボディセパレート”思想モデルの第4世代機。次世代増幅エンジン”LIFES”をプリとパワーのそれぞれに搭載する「もうこれ1台で十分!」と思わせるド級プリメインとして登場しました。
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2023年
ついに登場したネットワークトランスポートNT-07
- レコード→テープ→CD→ファイルに次ぐ最新音楽メディア”ストリーミング”にフル対応するトランスポート機。既存のDAC付きモデルに簡単にアドオンできるだけでなく、待望のTVや映像機器の音声信号をHDMIケーブル1本で取り込むことのできる新時代のソースプレーヤーです。
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2024年
ヘッドフォン再生の頂点を目指したP-100 CENTENNIAL
- 世界中の数あるハイエンドヘッドフォンとの接続を想定して、全4回路によるフルバランス構成のハイパワーアンプを組み合わせた複数の出力モードや、2台のP-100をスタックして実現する全8回路による究極のパラレルBTLバランスモードも可能としました。