DU-10'

デジタルユニバーサルプレーヤー

DU-10

デジタルユニバーサルプレーヤー
発売:2001年月   希望小売価格(税抜):¥ 880,000 (発売当時)

デジタルテクノロジーのめざましい進化は、音楽メディアの在り方を劇的に変えています。1982年に登場して以来、急遽に普及したCD。この現代の代表的な音楽フォーマットに続く新たなハイスペックメディアであるDVDオーディオやSACDの出現に、いま、熱い視線が注がれています。
また、オーディオとビデオの形態的な区分けの有無がなくなり、映像を伴う音楽ソフトも続々とリリースされています。一方で、大量にストックされている現行のCDから、更なる高品位な音質を引き出したいと願うリスナーの欲求も、大きな高まりを見せています。音楽再生のクオリティを極めるとともに、映像というもうひとつの感銘資源を取り込む新世代のデジタルシーン。その限りない可能性の追求が、新しいデジタル・プレーヤー開発の契機となりました。
ラックスマンDU-10は、DVDオーディオ、DVDビデオ、SACD、CD、さらに音楽用CD-R、ビデオCDまで、12cmディスクにデジタル光記録された情報を1台で再生するデジタル・ユニバーサル・プレーヤーです。いずれのソースを楽しむかはユーザー個人の嗜好にゆだねるとして、ソフトに託されたすべての情報を引き出せることが新世代のデジタル・プレーヤーに課せられた使命であると確信。ラックスマンが挑んだ”究極のユニバーサル”が、ここにあります。
うえだ ミナス

新世代メディア、DVDオーディオとSACD。その能力を最大限に引き出すために

音楽とオーディオの新たな可能性に満ちたハイスペックメディア。その超弩級のポテンシャルを、いかに引き出せるか。それがDU-10の大きな使命です。現在、ハイスペックメディアには、192kHz/24ビットまでの高分解能の録音データを収録できるDVDオーディオと、120dB以上に及ぶ広大なダイナミックレンジを持つ高密度情報記録フォーマットのSACDがあります。DVDオーディオはマルチビットの信号構造、SACDはDSD(ダイレクト・ストリーム・デジタル)の信号構造。こうした異なる2つの方式の能力を最大限に発揮させるため、マルチビット専用にPCMのD/A変換ルートを、そしてDSDの再生専用にDSDDACを搭載しました。いわば、DVDオーディオとSACD、それぞれの専用プレーヤーを1台の中に搭載するという贅沢な構成をとっています。また、DSDで記録されているSACDソースをマルチビットに変換して再生することも可能です。

現行のCDを究極の品位で再生する、DU-10がもたらした大きな成果

大量に保有するCDをより高品位に楽しみたい。44.1kHz/16ビットのCDフォーマットを、他のどんなCDプレーヤーよりも高音質で再生したい。マニアならずとも多くのリスナーが抱える願いを、DU-10が可能にしました。デジタルオーディオの再生系におけるフィルターと送り出しアンプの高品位化をはじめ音質決定要素が数多くある中、回路定数の洗い直しや素材の見直しから、筐体電流の適正化にいたるまで細部にわたって検討し、徹底した試聴をくり返して少しずつ音質改善を積み重ねた成果。また、個々のデバイスの性能の飛躍的な向上により、ラックスマンがこれまで蓄積してきたオーディオ的ノウハウを存分に生かし得たことも大きな要素です。現行のCDフォーマットから、これまでをはるかに上回るサウンドクオリティを引き出す快感。DU-10で聴くCDの一枚一枚が、新しい感銘の発見でもあります。

高品位な音質追究の核となったのはラックスマン独自のFE(フルエンシー)DAC

ラックスマンは1989年、世界で初めてフルエンシーという補完関数を使用したD/AコンバーターDA-07を開発し製品化しました。これは自然で生々しい音楽表現力が得られるものとして注目されましたが、非常に大型のため一体型CDプレーヤーに内蔵することが不可能でした。しかし、DSPの処理能力の進歩などにより、コンパクトな形態でありながらDA-07に匹敵する空間再現性を持つフルエンシー補完DSPが完成し、DU-10に搭載することが可能になりました。このFE・DACのフルエンシー方式と従来のシャノン方式との違いは補完関数にあり、その差はインパルス応答波形に明確に表れます。フルエンシー方式ではシャノンに見られる振動がなく、すっきりした波形に。これが音楽の立ち上がり時に生じる波形変調に大きく影響します。シャノンの場合、過去と未来の音の分身が振動波形として現在の音の立ち上がりに重複し、人間の耳の感度の最も高い部分に変調を生じる可能性が高い。しかし、もともと振動がないフルエンシーの場合はこうした変調がきわめて少ないのです。また、周波数特性においても、一定の周波数で急峻に落ち込むシャノンに対して、フルエンシーは比較的ゆるやかなスロープを描きます。このため、CD再生において20kHz以上の周波数を再現できる空間を作ることができ、人が心からリラックスできる自然な音響空間を提供することが可能です。

カートリッジを交換する感覚で、フルエンシーとシャノンの音質を楽しむ

再生音楽に合わせてカートリッジを取り換えたアナログオーディオ時代の楽しみがよみがえります。電子音楽などのジャンルでは、より重圧感を聴かせるシャノン方式。クラシック音楽などは豊かな響きを自然に表現できるフルエンシーが最適と言えます。この2つのDACは、パネル前面のスイッチで簡単に切り換えられ、音楽を聴く楽しさをさらに広げることができます。

高度な技術と圧倒的な物量が音質に反映

デジタル・ユニバーサルという名称が示すとおり、構成するユニットの物量は通常の製品とは比較できないほど膨大な数にのぼりました。DU-10では個々のユニットの性能を最大限に発揮するため、メカと映像系トランスと電源、オーディオ系を分離独立して配置。それぞれをシャーシで区切ることで、剛性を高めるだけでなく、ユニット相互の干渉を極力抑えています。各パーツに関してもこれまでの高品位アンプづくりで練り上げられたクオリティを備え、音質も充分に検証されたオーディオ専用パーツをふんだんに使用。さらにフロントパネル、サイドパネルは厚肉のアルミ材で構成し、特に上部パネルはアルミと鉄板を接着した複合材料を用いて外部振動に対するダンピング性能を高めています。さらに床からの振動に対しては、通常の2倍という高比重で、しかもガラス繊維によって強化されたFRPを使用し、低共振を実現しています。

5.1chドルビーデジタル、dtsデコーダー内蔵

DU-10は6chオーディオ出力用として、映画館の臨場感が楽しめるサウンドシステム5.1chドルビーデジタル(AC-3)と、個々の音声を高密度記録してリアルなプレゼンスを追及したdtsサラウンド用のデコーダーを内蔵。ホームシアターシステムにも最高品位の環境を提供します。また、6chそれぞれには共通グレードのオーディオ回路を搭載するなど、映像を引き立てる音のクオリティには妥協がありません。

先進のプログレッシブスキャン回路搭載

DVDビデオの画質の向上は、目覚ましい進歩を遂げています。なかでも注目を集めているのが、DVDの映画ソフトに収録されたシネフィルムと同じ映像信号を、オリジナルに忠実に再現することのできるプログレッシブ走査という技術です。テレビ画面を間近にすると多くの横線(走査線)が見えます。映像はこの走査線に沿って左から右へ、上から下への順にスキャンすることで画面上に表しますが、現行テレビ放送によるインターレース方式では、大画面になるほど走査線によるチラツキ(ラインフリッカー)が目立つ傾向にありました。こうした点を解消するために開発されたのがプログレッシブ走査です。プログレッシブ対応テレビでは、高度な映像補完を行うことでインターレース方式に比べ2倍の情報量が表示でき、チラツキの少ない高画質な映像を得ることができます。

使いこなしが楽しい多彩なインターフェイス

アナログ音声用の出力端子は、マルチビットDAC出力(DVDオーディオ、DVDビデオ、CD.音楽用CD-R、SACD用)、5.1ドルビーデジタル(AC-3)やdts用6chオーディオ出力を装備。フロント2chには平衡(バランス)出力端子も装備しています。DSDDAC出力は平衡、不平衡(バランス、アンバランス)両系統で2chを装備。デジタルオーディオ出力は同軸2系統、光1系統。デジタル音声入力は同軸1系統、光1系統を備え、内部D/Aコンバーターを外部のCDトランスポートなどから使用することも可能です。また、映像出力はコンポジット2系統、S-2端子2系統、コンポーネント映像出力を1組それぞれ備えています。

スペック

再生可能ディスクDVDオーディオ、DVDビデオ、SACD、CD、音楽用CD-R、ビデオCD、F-DISC
周波数特性DC~40kHz(DVD,SACD)
ダイナミックレンジ113dB以上(DVD,SACD)
全高調波歪率0.001%
S2映像出力(2系統)Y出力レベル:1Vp-p(75Ω)
C出力レベル:286mVp-p(75Ω)
出力端子:S端子
映像出力(2系統)出力レベル:1Vp-p(75Ω)
出力端子:RCA端子
コンポーネント映像出力(Y/CB/CR)Y出力レベル:1Vp-p(75Ω)
CB/CR出力レベル:0.7Vp-p(75Ω)
出力端子:RCA端子
音声出力音声出力レベル:250mVrms(1kHz,-20dB,600Ω)
出力端子:RCA端子
平衡音声出力(2CH)音声出力レベル:250mVrms(1kHz,-20dB)
出力端子:キャノンジャック
マルチチャンネル音声出力(リアL/R、センター、サブウーファー)音声出力レベル:250mVrms(1kHz,-20dB)
出力端子:RCA端子
デジタル音声出力光デジタル出力:光デジタル端子(96kHzまで)
同軸デジタル出力:RCA端子
同軸デジタル出力(PCM):RCA端子
PDIF端子:ミニジャック(3.5φ)
デジタル音声入力光デジタル入力:光デジタル端子
同軸デジタル入力:RCA端子
(32kHz,44.1kHz,48kHz,88.2kHz,96kHz,)
消費電力50W(電気用品取締法による規定)
電源電圧AC100V(50/60Hz)
最大外形寸法467(W)×187(H)×420(D)mm
重量20.0kg
※規格および外観は予告なく変更することがあります。

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