E-07'

フォノイコライザーアンプ

E-07

MCカートリッジのバランス接続に対応した3電源トランス構成の半導体式フォノイコライザー

アナログ再生を巧みに彩る―
フォノイコライザーアンプの新たなメルクマール
レコードからフォノカートリッジがピックアップする音楽のエモーショナルな起伏を正確にていねいに増幅し、次段アンプへ受け渡すのが、フォノイコライザーアンプのシンプルな役割です。
2025年に創業100周年を迎えるラックスマンが開発した 半導体式のフォノイコライザーアンプE-07は、性能と音質、そして奥深いアナログ再生をさらに愉しむことのできる機能を追求した、フォノイコライザーアンプの新たなメルクマール(指標)となるモデルです。

MCカートリッジのバランス接続をはじめ、多彩なアナログ再⽣環境に対応

E-07は、ラックスマンのセパレートアンプやプリメインアンプと横幅を共通とし、ブラスターホワイトのフロントパネルとともにデザインマッチングを考慮した薄型の筐体サイズを採用。そして奥深いアナログ再生の愉しみをグレードアップする現代のフォノイコライザーアンプに求められる性能と機能を内蔵しました。微小信号への応答性の高いスーパーパーマロイ・コアを使用した新開発のMCカートリッジ用ステップアップトランスは、長年培ってきたトランス技術を活かし、LRチャンネルとLow/Highインピーダンスをそれぞれ独立させた全4基構成とすることで、選択したインピーダンスグループごとに最適なトランスを選ぶことが可能となりました。さらにMCカートリッジからの出力エネルギーを損失させることなく差動信号のまま受け取ることのできるバランス入力にも対応。左右のセパレーション性能や大幅な定位感の向上を実現しました。また、入力はバランス(XLR)1系統のほかに、アンバランス(RCA)2系統の端子を装備。最大でトリプルアーム、または3台のアナログプレーヤーの接続に対応。出力もバランス(XLR)1系統+アンバランス(RCA)2系統の端子を用意し、さまざまなアンプ機器との接続による多彩なアナログ再生環境の構築を可能にしました。

半導体式の⾼⾳質NF型フォノイコライザーアンプ

アナログオーディオ製品の中でもっとも小さなレベルの音楽信号を扱うフォノイコライザーアンプというジャンルにおいて、ラックスマンが長年培ってきたアンプ回路技術の粋を集め、ノウハウを惜しみなく投入して開発されたのがE-07です。アンプ回路には、初段FETを4パラレル接続することで低ノイズ化を実現した高S/NのMM/MC対応RIAAカーブ専用NF型フォノイコライザーを搭載。音質を最優先して選択されたパーツや試聴を繰り返して完成した高品位なオリジナルカスタムパーツをふんだんに採用し、伸びやかでエネルギー感あふれる音質を実現しました。また、デリケートな微小信号を増幅するフォノイコライザーアンプにとって音質や音色を左右する重要な要素でもある筐体には、電源部とアンプ部をシールドで隔絶しながら、シャーシ電流によるアースインピーダンスの上昇を抑えるループレスシャーシ構造を選択。また回路間の接続には、各芯スパイラルラップ・シールドと芯線の⾮メッキ処理で⾃然な信号伝送を可能とするOFCワイヤー配線を使用しています。さらに、装着⽅向を従来の向きから変更し、端⼦全体でケーブル重量をサポートする⾦メッキ仕上げのACインレットや、導体径を太くしながら取り回しの良いスリムタイプへ進化したノンツイスト構造の電源ケーブルJPA-10000iを付属するなど、アナログ再生の要となるさまざまな要素を徹底的に磨き上げました。

カートリッジを最適化する細やかな負荷調整

E-07は、フロントパネルにMCカートリッジ用の6段階負荷インピーダンス切替スイッチ(4.7/10/40/100/300/ 1kΩ)を、リアパネルにはMMカートリッジ用に負荷インピーダンス切替スイッチ(34/47/56/100kΩ)に加え、負荷容量切替スイッチ(0/100/220/320pF)を装備。トーンアームに装着するカートリッジのポテンシャルを最大限に引き出すための、細やかな設定が可能です。

LRチャンネル完全独立の大容量電源トランス

E-07は、アンプ回路の左右チャンネルとインジケーターやリレー駆動のための周辺回路を電源トランスの段階から完全に分離した3トランス構成を採用し、各回路ブロックの負荷変動が互いに影響し合わない贅沢な電源環境を構築。また、パワーアンプ級の大容量ブロックコンデンサー(10,000μF×5)により極めて安定した電流供給を誇る、ハイイナーシャ(高慣性)電源回路を搭載しています。

入力ごと独立の真鍮製大型グラウンド端子

E-07では、オリジナルの真鍮削り出し金メッキ仕上げの大型グラウンド端子を新規開発。すべての入力端子(アンバランス1、2、バランス1)のそれぞれに回路の基準点に接続したフォノ・グラウンド端子と、本体シャーシに接続した従来のフレーム・グラウンド端子の合計4端子を装着しました。確実なグラウンドワイヤーの接続を約束し、ハムノイズ等の発生を抑えます。

利便性を高める多彩なファンクションの数々

E-07は、再生するレコードの信号電流でカートリッジやMCトランスの帯磁を解消するアーティキュレーター機能や、レコードの反りから発生する低周波をカットすることでウーファーのふらつきを抑えるローカット・スイッチ、モノラルレコードの再生時に便利なモノラルモード・スイッチ、そして接続する機器に合わせてバランス出力の位相を切り替える位相反転スイッチをフロントパネルに配置しました。

低インピーダンスのグラウンド接続構造

E-07では、微小信号を取り扱う回路の伝送安定度を高めるため、各回路の信号基準点を1点に集約し、極厚の鋼板材によって同一の距離・同一の低インピーダンスで各部へグラウンドを放射上に接続する、花弁形状のグラウンド供給構造PGS(Petal-shaped Ground Supply)を新開発。また、音楽信号の流れに配慮し、スムーズな電流伝送を実現するラウンドパターン配線基板を採用しました。

極厚の高剛性シャーシと徹底した振動対策

薄型フルサイズのE-07の筐体には、多様な切替スイッチと細身のインジケーターウィンドウを配した、ブラスターホワイト仕上げのフロントパネルを採用。ボトムシャーシには、極厚の鋼板を2枚(計3.6mm厚)重ね、グラウンドマスの増大や低重心化、筐体の剛性向上を実現。さらに、音楽再生に不要な振動から本体を守るグラデーション鋳鉄製のインシュレーターレッグを装着しました。

スペック

回路方式NF型フォノイコライザーアンプ(RIAA、初段4パラレルFET、アンバランス構成)
MCステップアップトランススーパーパーマロイ・コア×4基(L/Rチャンネル、L/Hインピーダンス独立)
入力感度MM 3.2mV、MC-H 0.37mV、MC-L 0.12mV
入力インピーダンスMM 34k / 47k / 56k / 100kΩ
MC 4.7 / 10 / 40Ω(MC-L)、100 / 300 / 1kΩ(MC-H)
定格出力 / 出力インピーダンス250mV / アンバランス 300Ω、バランス 600Ω
負荷容量MM 0 / 100 / 220 / 320pF
利得MM 38dB、MC-H 57dB、MC-L 66dB
最大許容入力MM 120mV、MC-H 15mV、MC-L 5mV
RIAA偏差MM 20~20kHz(±0.1dB)、MC 20~20kHz(±0.3dB)
全高調波歪率0.003%
S/N比(IHF-A)MM 88dB、MC-H 81dB、MC-L 78dB
チャンネルセパレーション80dB以上
電源トランスOI型×3(L/R独立+周辺回路用)
インシュレーターレッググラデーション鋳鉄製×4
電源電圧AC100V(50 / 60Hz)
消費電力10W(電気用品安全法の規定による)
外形寸法440(幅)×92(高さ)×407(奥行き)mm
奥行きは前面ノブ14mm、背面端子13mmを含む
質量13.2kg(本体)、16.1kg(標準梱包)
付属品電源ケーブル(JPA-10000i : 極性マーク付)
※規格および外観は予告なく変更することがあります。

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