M-10X'

ステレオパワーアンプ

M-10X

音楽再生の原点に立ち戻り完成した、新世代のフラグシップ・ステレオパワーアンプ

技術を磨き、音の深淵に迫る。フラグシップから始まる、新たな脈動—
2025年に迎える創業100周年を見据え、音楽再生の原点に立ち戻りついに完成したラックスマンのマイルストーンにして未来へのリファレンス。それが、新世代のフラグシップ・ステレオパワーアンプM-10Xです。最大の特徴は、ラックスマン技術陣の総力を挙げて磨き上げた新・増幅帰還エンジン“LIFES”の搭載。伝統のODNF技術をベースに、細部に至るまで回路の根本的な見直しを敢行しパーツのひとつひとつを厳しく吟味することで、生命力に溢れる豊かな音楽性を獲得しました。世界中のスピーカーを鳴らしきる高性能を美しいアナログメーターを装えたブラスターホワイト仕上げの屈強な筐体に収め音の深淵に迫った至高のフラグシップモデルM-10Xがラックスマンの新たな時代の始まりを告げます。

音楽に生命を吹き込む増幅帰還エンジン LIFES Version 1.0

ラックスマンは、2025年に迎える創業100周年を⾒据え、1999年以来、長らくアンプ製品の⾳質を⽀え続けてきた増幅回路ODNF(Only Distortion Negative Feedback)を刷新し、さらにリアルで瑞々しく豊かな⾳楽性と圧倒的なオーディオ性能を獲得した新しい増幅回路⽅式LIFES(Luxman Integrated Feedback Engine System)を完成しました。LIFESは、入力された音楽信号を主アンプにフィードバックせずに優れた静特性を実現し、無帰還回路のような自然な音質の得られる画期的な増幅回路ODNFの技術的思想をベースに、バージョンアップを重ねて大型化した回路をシンプルにそぎ落とし、徹底的なシミュレーションにより理想的な増幅回路を再構築。試聴を繰り返して厳しく吟味、選定されたパーツを組み合わせることで、ラックスマンの次世代コンポーネントに採⽤するにふさわしい性能と⾳質を極めたグレードを実現しました。M-10Xを皮切りに今後登場するアンプ製品の⼼臓部を担い、音楽に新しい⽣命“LIFES”を吹き込む、画期的な増幅帰還エンジンLIFES Version 1.0の誕生です。

瞬時最⼤1,200W+1,200W(1Ω)の圧倒的なパワーリニアリティ

パワーアンプの役割は、スピーカーの持つ特性を十全に引き出しながら、コントロールアンプから送られた音楽信号を入力に忠実に増幅し、スピーカーユニットを正確に振動させること。M-10Xに搭載されたLIFESでは、回路全体をシンプルに再構築することで、性能を改善しながら素子のパラレル数削減にも成功し、増幅時の歪をおよそ半分に低減しました。また、一新された定電圧回路は交流ゲインと直流ゲインを変化させるハイイナーシャ(高慣性)電源を構成。より安定的に高性能を維持可能な方式を採用しました。様々な負荷状況に追従する3段ダーリントン4パラレルプッシュプルの増幅回路をチャンネルあたり2モジュール組み合わせた4×2アウトプット構成の電流増幅段は、定格出力150W+150W(8Ω)から瞬時最大1,200W+1,200W(1Ω)までの完全なパワーリニアリティを実現。綿密なバイアス電流設定による12Wまでの純A級動作とともに、圧倒的な力強さと密度感のある音質を高次元で両立しました。

存在感を増した立体的なパネル構成

M-10Xは、先代のM-900uを引き継ぐオーセンティックなフロントフェイスに、側⾯を⼤きくスラントさせた極厚のフロントパネルとボンネットとの間に⼤胆で繊細な“くびれ”を表現。真空管コントロールアンプCL-1000やSACDプレーヤーD-10Xといったフラグシップモデルに共通する⽴体的で官能的な筐体デザインを採用し、最上級モデルとしての存在感とグレードを極めた音楽性を具現化しました。

音楽の躍動を表現するアナログメーター

シンプルながら気品に満ちたデザインのフロントパネルには、存在感が際立つ針式の大型アナログメーターを装備。白色LEDによる電球⾊の照明が、リスニングポジションから見やすく視認性を向上させたスケール板を上品に照らします。BTL(モノラル)モード時には、動作メーター(Lチャンネル側)がフロントパネル上のセンターに位置するよう、リデザインも行いました。

スーパーレギュレーション・トランス

M-10Xの圧倒的なパワーとドライバビリティを支える電源部には、平⾓型の銅巻線を隙間なく巻くことにより損失空間を無くし、線間容量の低減と結合力の向上、磁界の安定化を実現するEI型のスーパーレギュレーション電源トランスを搭載。1,250VA(瞬時最大2,500VA)という大容量によって、あらゆる負荷変動に揺らぐことのない絶大なレギュレーション性能を手に入れました。

伝統のハイイナーシャ電源構成

LR独⽴20,000μF×4の新開発・⼤容量ブロックコンデンサーと大型電源トランスを組み合わせた、ラックスマン伝統のハイイナーシャ(⾼慣性)電源構成。そして、4接点をパラレル接続した低抵抗の大容量スピーカーリレーや、スピーカー端⼦までのバスバー直結⽅式など、信号の徹底的なローインピーダンス伝送設計により、M-10Xの強力な負荷追従性能がサポートされています。

100μm厚のラウンドパターン基板

M-10Xのすべてのオーディオ回路には、音質に悪影響を及ぼすレジスト被覆の誘電効果を排除した100μm厚のレジストレス⾦メッキ・ピールコート基板を採用しています。また、信号ラインのパターン幅を一定に保ち、滑らかな曲線を描くことでスムーズかつストレスのない信号伝送を実現するラウンドパターン配線など、細部にわたり音質最優先の設計ポリシーを徹底しています。

こだわりの高音質カスタムパーツ

回路を構成するパーツのひとつひとつは、製品のオーディオ性能や音楽性を左右する重要な要素となります。M-10Xでは、音声信号の経由する各種コンデンサーや抵抗、そして配線材や端子類にいたるまで、徹底した試聴を重ね、高度な技術と感性でこだわりぬいたオリジナルのカスタムパーツ群を大量に投入。ラックスマンの求める音質哲学を実現するためには努力を惜しみません。

振動対策とループレスシャーシ

48kgを超える本体を支えるボトム部には、外来振動を遮断しながら内部で発生した振動を素早く逃がすことで、デリケートな⾳楽信号を不要な振動から守る、⼤型のグラデーション鋳鉄製レッグを装着。また金属筐体には、アースのループを発生させず、シャーシ電流によるアース・インピーダンスの上昇や発⽣磁界の影響を隔絶するループレスシャーシ構造を採用しました。

音質重視のRCA端子とACインレット

本体背面の入力端子には、銅と同等の導電率と真鍮に匹敵する硬度を併せ持つ、カッパーアロイ合金製の高性能RCA端⼦を装備しました。また、接触抵抗を低減する金メッキ仕上げのACインレットは、従来モデルと装着⽅向を天地反転させ、端⼦全体でケーブルの重量をサポートする構造に改良。電源ケーブルのグラつきを抑え、安定的な保持を実現します。

D.U.C.C.導体採用の電源ケーブル

M-10Xには、ハイエンド製品専⽤電源ケーブル JPA-15000をベースに、伸びやかな音質が得られるノンツイスト構造の採用や3.5mm2径の導体断面積はそのままに、芯線の30%を世界最高水準の純度の銅を使用した7N-Class D.U.C.C.※に変更して性能と⾳質を⼤幅にグレードアップした、新開発のJPA-17000を付属しました。
※ D.U.C.C.は、三菱電線工業株式会社の登録商標です。

スペック

定格出力150W+150W(8Ω)/ステレオ時
300W+300W(4Ω)/ステレオ時
600W(8Ω)/モノラル時
瞬時最大出力1,200W+1,200W(1Ω)/ステレオ時
2,400W(2Ω)/モノラル時
⼊⼒感度/⼊⼒インピーダンス1.24V/150W(8Ω)
GAIN 29dB / アンバランス 51kΩ、バランス 28kΩ
周波数特性20Hz〜20kHz(+0、-0.1dB)
1Hz〜130kHz(+0、-3.0dB)
全高調波歪率0.003%以下(1kHz / 8Ω)
0.04%以下(20Hz〜20kHz / 8Ω)
S/N比(IHF‐A)117dB
増幅回路LIFES 1.0
出力構成3段ダーリントン4パラレルプッシュプル×2
電源トランスEI型1,250VA
ダンピングファクター600(EIAJ電流注入法による)
電源電圧AC100V(50 / 60Hz)
消費電力530W(電気用品安全法の規定による)
280W(無信号時)
1.0W(スタンバイ時)
外形寸法440(幅)×224(高さ)×488(奥行き)mm
奥行きは前面ノブ2mm、背面端子38mmを含む
質量48.4kg(本体)
54.4kg(標準梱包)
付属品専用トリガーケーブル(モジュラー/3.5mmモノラル)
電源ケーブル(JPA-17000 : 極性マーク付)
スピーカ端子
対応Yラグ端子寸法
a部分幅 : 14mm以下
b部分幅 : 7mm以上
Yラグ端子の形状によっては
装着できない場合があります。
※規格および外観は予告なく変更することがあります。

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