M-8f'

ステレオパワーアンプ

M-8f

M7fグレードアップ、4パラ、800VA
発売:2001年月   希望小売価格(税抜):¥ 650,000 (発売当時)

ほとばしる音楽の熱気に追随して、どこまでも登り詰める音のパワー。実効出力ステレオ250W+250W/8Ω、瞬間最大出力1KW/2Ωという圧倒的なスケールがもたらす壮大な音楽感銘こそ、M-8fの真骨頂。
しかしパワーアンプの出力規模は単に大音量のためにあるわけではありません。小音量時にさえ音楽の背景にもある微細なニュアンスを感じ取れるパワークオリティもまた、M-8fの真価。革新のODNF回路を搭載し、その音楽表現力は新たな領域へ。
次世代ソースが劇的に広げたダイナミックレンジをとらえ、あらゆるスピーカーのポテンシャルを極限まで引き出す超絶のパワーアンプです。

出力250W+250Wの底知れぬドライバビリティ。

フルオーケストラが炸裂するクライマックスの圧倒的な再現力、さらに静寂の中に消えゆく余韻の美しさに、M-8fの底知れぬドライブ能力を実感することでしょう。実効出力ステレオ250W+250W/8Ω、BLTモノラル750W/8Ω、さらに2Ω時の瞬時最大出力は実に1KW。単にパワースケールの誇示に終わらず、すべてが音楽の高品位な再現へと結実しています。

音楽の生命に肉薄する革新のODNF回路。

分厚い弦楽合奏の中に溶け合う、ヴァイオリンの艶やかな響き、ヴィオラの荘重な音色。そうしたさまざまな楽器の存在感を明快に描き分けてこそ、豊かな音楽的感興は生まれるのでしょう。個々の音のニュアンスを鮮明に再現するには、音が立ち上がる一瞬をとらえる初期スルーレイトの速さが求められます。また、より自然な音楽再生のためには、低域から高域まで全帯域の音色が統一されたスムーズなつながりも不可欠。こうした高次元の音楽再生を求め、音楽信号と歪の関係を根本から、見直して作り上げたのがODNF回路です。ラックスマンはまず、音楽信号の増幅回路部のために位相補正を必要としない超広帯域・ハイスルーレート、低歪回路を開発。従来の負帰還回路(NFB)では避けられなかった位相補正を排除しました。また、NFBの在り方そのものにも着目。これまでのNFB手法は音楽信号ごと歪を抑え込んでしまうために、帯域の制限や音楽情報量の欠如を招いていました。そこで出力から歪の成分だけを増幅回路の最終段へフィードバックし、出力波形から歪成分だけを除去。NFB手法を音楽信号から切り離すことで、瞬時に立ち上がる初期スルーレイトの速さと超広帯域を獲得しています。さらに、NFB回路において低域に不自然なカラーレーションを排除。これにより全帯域の音色が統一された自然な音楽再生を実現しています。

一瞬の音にも劇的に反応するハイ・イナーシャ電源。

Rシュトラウスの管弦楽が放つ、めまぐるしい音のドラマ。地鳴りのような大音響が一瞬にして、デリケートな静寂へと変幻する。そんな千変万化するダイナミズムを何より重視する電源構想から生まれたのがハイ・イナーシャ電源です。音楽信号に応じて電源供給の制御を行う通常の手法では、音楽のリアルタイムからつねに遅れた制御となり、音楽の躍動感を阻害する要因となっていました。ハイ・イナーシャ電源は優れた瞬時放電特性を持つ特殊電解コンデンサーを搭載。つねにゆとりあるエネルギーを電源部にキープすることで、遅れ制御を極小化しています。一瞬一瞬の音の起伏に合わせてエネルギーを供給するハイ・イナーシャ電源が、音楽の生き生きとした生命感を自然のままに解き放ちます。

強大なパワースケールを支える、ゆとりの電源部。

音楽は瞬時も途切れることのない音のドラマです。冒頭の熱気から集結部の静寂まで、信号増幅に必要な電源供給量をつねに安定して確保し、瞬時の要求にもリアルタイムに応えなくてはなりません。M-8fの電源部は、大容量800VA独立4巻線の大型トランスに22,000μF×2本の大型電解コンデンサーを組み合わせ、音楽のダイナミズムに追随する供給能力を実現しました。

純粋無垢の音をまもりぬく、徹底したノイズ対策。

不要振動とノイズ対策をきわめた高剛性・ボックス遮断構造。振動吸収モードに優れた5点接地のFRPシャーシベースを土台とし、肉厚のシャーシにパーツを強固に固定して、振動ノイズを寄せ付けない重量級の筐体構造を実現しています。また、電源トランス、ケミカルコンデンサー、アンプブロックが直接干渉し合わないレイアウトとし、さらにそれぞれのブロックをシールド板で遮断、内部フィルターを強化することでフラックスマンやノイズの干渉を断ち切りました。

音の必然、ラックスマン専用のカスタムメイドパーツ群。

音楽には誰もがまだ耳にしていない音の生命がひそんでいる。そんな確信のもと、ソースに込められた音楽情報を余さず引き出すために、従来からラックスマンは微少レベルの再現性を高めるカスタムパーツにこだわり続けてきました。そして永年にわたる高音質パーツ開発で培ってきたデータと実績が、ラックスマン専用カスタムメイドパーツに結実しています。抵抗器には、音響的に優れたカーボン皮膜抵抗をベースに、素体磁器であるアルミナの選定からエッチング、炭化、端子材質、端子形状、圧入方法など多岐にわたって検討。情報伝達量を飛躍的に向上させ、より表情豊かな音楽再現を可能にした専用抵抗器を採用。また、大型電源トランス、大容量ブロックコンデンサーをはじめ、電解コンデンサー、銅スチロールコンデンサー、銅製バスパー、高純度6Nケーブルなど、高度な技術と感性でこだわりぬいたカスタムパーツを採用。ラックスマンの独壇場とも言えるこのカスタムメイドパーツ群には、ラックスマンのオーディオ感性のすべてが活きています。 

発行色にもこだわった大型パワーメーターを装備。

大型120×100mmのパワー表示メーターには、動きが読みとりやすい対数圧縮表示方を採用。アクリル肉厚10mm、発行色やブランドロゴのイルミネーション効果にもこだわり、高品位なオーディオ空間を演出しています。また、メーターの動作や照明をオン/オフする機能も備えています。

固定抵抗器切替入力レベルアッテネータと多彩な入出力端子。

入力部には平衡、不平衡それぞれに6点固定抵抗器切替方式による左右独立アッテネータを装備。音質に影響を与えることなく、入力のレベルコントロールを行うことができます。さらに、他機種と組み合わせる際の使いやすさを考慮し、1V入力時に100W出力を取り出すリファレンスポジションを設置しました。また、入力端子にはバナナ端子などにも対応する独自開発の高品位なスピーカー端子を装備しています。

ゆるぎない造形美と高品位なフィニッシュ。

豊かな音楽空間にインティメイトに寄りそうフォルム。オーディオアンプにはそんな端正な美しさを求めたい。M-8fは過剰な演出を排したシンメトリカルなデザイン。スッと裁ち落としたようなフロントパネル。そして調度品としての品位さえ漂わせる精密なヘアライン加工が、内部メカの完成度の高さを連想させます。

スペック

連続実効出力250W+250W(8Ω)/ステレオ時
380W+380W(4Ω)/ステレオ時
750W(8Ω)モノラル時
入力感度1V/250W(8Ω)
入力インピーダンスCOAXIAL/33kΩ
BALANCE/65kΩ
全高調波歪率0.004%以下(1kHz/8Ω)
0.08%以下(20Hz~20kHz/8Ω)
周波数特性20Hz~20kHz(+0、-0.1dB)
10Hz~100kHz(+0、-1.0dB)
S/N比120dB(IHF-A)
入力端子COAXIAL(RCA)L/R
BARANCEL/R
*ラックスマンのバランス入力は、ノーマル時3番ピンが+、
2番ピンが-1番ピンがGNDとなっています。
入力端子COAXIAL(RCA)L/R
BARANCEL/R
*ラックスマンのバランス入力は、ノーマル時3番ピンが+、
2番ピンが-1番ピンがGNDとなっています。
出力端子バナナプラグ対応大型スピーカー端子
付属装置大型パワーメーター
パワーメーターON/OFFスイッチ
スタンバイ・インジケーター
ミューティング・インジケーター
アッテネータ/入力切換スイッチ
B.T.L.スイッチ
リモート端子
リモートスイッチ
ライン・フェイズ・センサー
消費電力620W(電気用品安全法による規定)
電源電圧AC100V(50/60Hz)
最大外形寸法467(W)×212(H)×482(D)mm
重量40.5kg
※規格および外観は予告なく変更することがあります。