P-100 CENTENNIAL'

ヘッドフォンアンプ

P-100 CENTENNIAL

圧倒的なドライバビリティを突き詰めたヘッドフォンアンプの100周年記念フラグシップ

100周年の“CENTENNIAL”

1925年、NHKによる実験放送に感化されたとある事業家が試作したラヂオ受信機とその技術解説書が世の新しもの好きたちの目に触れ、
大いに話題を呼んだことをきっかけに「ラックス」は生まれました。
まもなくチューナーやアンプ、スピーカーの設計・製造を開始。
いまのオーディオシステムの原点とも呼べるコンポーネントのラインアップに形を成していく過程でラックスは「ラックスマン」へと進化しました。

そして誕生から100年。ラックスマンは創業100周年という節目を迎えます。
かつての自らを超える大きなステップを踏むために、これまで開発されたさまざまなオーディオ技術と受け継がれてきたノウハウを磨き上げ、
次の100年に通用する性能と音質を目指したアニバーサリーの“CENTENNIAL”モデル。
その第一弾としてヘッドフォンアンプのフラグシップP-100 CENTENNIALが登場します。

耳元で味わう豊穣のシンフォニー
ヘッドフォンリスニングの極まりへ―

音楽が紡がれる瞬間の躍動、静寂から歓喜のクライマックスまで。
世紀を超えた技術の連綿が生む、絶対的なリファレンスサウンドをあなたの耳元へ。
ただ力を誇示するのではなく、楽音の粒立ち、サウンドステージの広大さ、
音楽の核心に迫る表現の豊かさを、鷹揚に引き出すヘッドフォンアンプが完成しました。

新・増幅帰還エンジン LIFES
多種多様のヘッドフォンを駆動するフルバランス構成のアンプ回路

独自の高音質増幅帰還回路として、20年以上ラックスマンのアンプ技術の核となり発展してきたODNF(Only Distortion Negative Feedback)。2002年に誕生したP-1以降、ラックスマンのヘッドフォンアンプはODNFの進化とともにありました。その最終進化バージョンを積んだのがP-750u MARK Ⅱです。100周年を記念するP-100 CENTENNIALには、ODNFをさらに進化させた増幅帰還エンジンLIFESがヘッドフォンアンプとして初めて搭載されました。新世紀を担う新技術LIFESは、ODNFの特徴であった歪み成分のみをフィードバックさせ、鮮度の高い瑞々しい音色を再現するというコンセプトを継承しながら、回路構成とパーツを根本から再構築。電圧増幅段へ新たに採用した高性能FETを含め、製造面においても長期間安定して供給される高音質パーツを厳選して採用しました。ODNFに対し、回路単体で歪みは約半分以下、S/N比は3dB以上改善。これまで以上に静寂さが増すとともに、楽器ひとつひとつが鮮明に描かれ、音楽の躍動感をさらなる高みへと押し上げます。

新・電子制御アッテネーター LECUA-EX
ノブの感触にまでこだわった高精細音量コントロール

発音体が耳元にあるヘッドフォンリスニングで問題になる、小音量再生時の左右レベル偏差、音量ポジションによる音質変化を極小化する技術が、20年以上に渡ってラックスマンが磨き上げてきた高純度電子制御アッテネーターLECUAです。P-100 CENTENNIALではソリッドステート(IC)方式を取り入れ、回路構成をコンパクト化しながら、位置検出に重量回転機構を組み込んだ高精度ロータリーエンコーダーを備えるLECUA-EXを採用。さらに核心部であるICを刷新したことで、微小音域の調節をさらにきめ細やかに行える0.5dBステップ200段階の構成としています。このLECUA-EXでは音量調節に関わる機能性を一元化。使用するヘッドフォンのインピーダンスと能率に合わせた3段階の感度切替、LRバランス調節機能に加え、大切な耳とヘッドフォンを予期せぬアクシデントから保護する、6段階の音量制限機能も装備しています。また、3桁の大型7セグメントLEDディスプレイにより、音量値を視認することができるようになり、厳密なリスニングでの音量の再現性を高めました。

ディスクリート部品による4回路構成の
フルバランス・ヘッドフォンアンプ

P-100 CENTENNIALは、ディスクリート部品によって緻密に構築された増幅帰還エンジンLIFESを、同一の構成で4チャンネル分揃えたフルバランス・ヘッドフォンアンプです。音楽信号の+と-を独立したアンプでBTL(ブリッジ)接続したバランス出力では、左右セパレーションや定位感の向上、混変調歪の低減、電源レギュレーションの改善といった効果が得られます。一方、アンバランス出力では4チャンネルの増幅回路を左右2つずつ束ねたパラレル駆動を行い、出力電流の供給能力を倍に増強することで、ドライブ力を確保。加えてバランス出力用端子(Φ4.4mm/4ピンXLR)使用時にスイッチを切り替え、グラウンドを左右独立させたパラレル・アンバランス駆動も楽しむことが可能です。さらに2台のP-100 CENTENNIALを使う3ピンXLR出力端子におけるパラレルBTLバランス駆動では、8チャンネル分の増幅回路をフル活用することで、1台使用時と比較し、チャンネル当たり2倍の電流出力を誇るモノラルアンプ化を実現。まさにあらゆるヘッドフォンを縦横無尽にドライブする、究極の再生環境を構築できます。

ヘッドフォンに合わせた豊富な出力端子

P-100 CENTENNIALのヘッドフォン出力は、世界中のさまざまなハイエンドヘッドフォンとの接続を想定し、Φ6.3mmの標準(アンバランス)出力端子に加え、バランス出力用として4ピンXLR端子とΦ4.4mm端子を搭載。また、P-100 CENTENNIALを2台使用するパラレルBTLバランス出力モード専用端子として、3ピンXLR端子も用意しました。

音質劣化の無い各種設定と調節機能

LECUAの回路を応用することで音質を劣化させることなく、使用ヘッドフォンのインピーダンスと能率に合わせた3段階(0、-6、-12dB)の感度切替とLRバランス調節(0.5dBステップ、LR0~-12dB)、音量ミュート機能を搭載。また、音量の上限を設定し過大な音圧から耳を保護するボリューム・リミット機能(OFF、-10、-20、-30、-40、-50dBの6段階)を用意しました。

大型7セグメントLEDによる音量表示

P-100 CENTENNIALは、ラックスマンのヘッドフォンアンプとしては初めてフロント部に表示パネルを搭載。現在の音量レベルを数値で確認できる視認性に優れた大型7セグメントLED(0.5dBステップに対応した3桁表示)を採用しました。また、スルー出力、バランス出力時のモード切り替え、BTL、ボリューム・リミット機能のステータスはLEDインジケーターで表示します。

多彩な各種ドライブモード切替

P-100 CENTENNIALは、2種類のパラレルアンバランス出力(グラウンドLR共通/LR独立)とBTLバランス出力、そして、モノラル化したP-100 CENTENNIALを2台用意することで実現する究極の出力構成であるパラレルBTLバランス出力と、ヘッドフォンの性能や音質に合わせて選択可能な全4種の出力構成を用意。愛機のヘッドフォンのポテンシャルを極限まで引き出します。

100周年を記念した銘板と高級外装

P-100 CENTENNIALのフロントパネルには、創業100周年記念モデルにのみあつらえた、光沢クロムメッキ仕上げの「CENTENNIAL」銘板を装着しました。また、精緻なヘアライン加工とフロントパネルから張り出した迫力のフェイスが、フラグシップモデルのラグジュアリー感を演出しながら、筐体剛性も高める6mm厚の3面アルミ製オーバーサイズボンネットを採用しました。

各回路独立の大容量電源回路

電源部には、アンプ回路専用に高いレギュレーション能力を誇るLR独立の大容量OI型トランス×2基と、リレーの駆動やLEDインジケーター類のための周辺回路専用トランスを独立搭載。また出力段には10,000μF×4本、ドライバー段には3,300μF×4本のカスタム仕様のブロックコンデンサーをLR独立で構成した、ラックスマン伝統の大容量ハイイナーシャ電源回路を採用しました。

こだわりの高品質パーツの数々

P-100 CENTENNIALは、駆動力をロスなく伝えるためパラレル接続した低抵抗値のスピーカー用大型リレーを搭載。ヘッドフォンを駆動する出力ラインを徹底的に低インピーダンス化しました。また、各芯スパイラルラップシールドと芯線の非メッキ処理を施したOFCワイヤーの内部配線や、こだわりぬいたカスタムパーツなど、圧倒的なフラグシップ性能を実現する物量を投入しました。

ヘッドフォン駆動のための大型高剛性筐体

筐体には、アースのループを発生させず、シャーシ電流によるインピーダンスの上昇や磁界の影響を隔絶する高剛性ループレスシャーシ構造を採用。ボトム部には、グラウンドマスの増大や製品の低重心化を実現し、パワーブロックの放熱器も兼ねた極厚4.1mm(2.9+1.2mm)の鋼板シャーシと、音楽信号を不要な振動から守るグラデーション鋳鉄製レッグを装着しました。

ハイエンド製品専用の電源ケーブル

接触抵抗を低減する金メッキ仕上げのACインレットは、装着の方向を従来より変更し、端子全体でケーブルの重量をサポートする構造に改良。コネクタ部の安定的な保持を実現しました。電源ケーブルには、3.5スクエア高純度無酸素銅(OFC)線材と金メッキプラグを採用し、独自のノンツイスト構造により、自然で伸びやかな音質が特徴のトップエンドモデル専用JPA-15000を付属しました。

スペック

定格出力アンバランス:4W+4W(8Ω)、2W+2W(16Ω)、1W+1W(32Ω)、53mW+53mW(600Ω)
バランス  :8W+8W(16Ω)、4W+4W(32Ω)、213mW+213mW(600Ω)
瞬時最大出力アンバランス:5W+5W(8Ω)、バランス : 20W+20W(8Ω)
入力感度 /
入力インピーダンス
アンバランス:1.0V / 14kΩ
バランス  :2.0V/ 28kΩ
周波数特性20Hz〜20kHz(+0、-0.1dB)
10Hz〜175kHz(+0、-3.0dB)
全高調波歪率アンバランス:0.0025%(1kHz)
バランス  :0.0015%(1kHz)
S/N比(IHF-A)アンバランス:117dB、バランス:119dB
電源トランスOI型×2(L/R独立)+EI型(周辺回路用)
インシュレーターレッググラデーション鋳鉄製×4
電源電圧AC100V(50 / 60Hz)
消費電力62W(電気用品安全法の規定による)
42W(無信号時)
外形寸法446(幅)×136(高さ)×401(奥行き)mm
奥行きは前面ノブ14mm、背面端子8mmを含む
質量19.7kg(本体)、23.1kg(標準梱包)
付属品電源ケーブル(JPA-15000 : 極性マーク付)
※規格および外観は予告なく変更することがあります。
※P-100 CENTENNIALを2台接続するパラレルBTLバランスモード時に使用できるFOCAL UTOPIA用ヘッドフォンケーブルが、onso(ひさご電材株式会社)から発売されています。 https://www.onsoproject.com/hpct_03l.html

ダウンロード