純A級増幅方式は、電源の入った状態では音量の大小に関わらず常に一定のアイドリング電流を流しています。その電流の消費による電気代の負担を知っておきたい方のために、大まかな計算方法をご紹介いたします。
東京電力の場合、契約にもよりますが、最初の120KWhまでは1KWhあたり約20円です。例えばL-550AXIIの場合、消費電力は通常音量時170Wですから、1時間の電気代は20円×(170W÷1KW)=3.4円となります。1日3時間電源を入れた場合、1か月では約316円といったところです。同じ計算を当てはめるとL-590AXIIでは1か月で428円です。
※ 上記は契約の方法や全体の使用量によっても変わります。基本料金も別途かかります。
L-509uとL-509fSEは”ワンボディセパレート”の性能を追求したフルマニュアル機です。ラックスマンの他のプリメインアンプでは全機種リモコンを標準装備しておりますが、アルプス電気と共同開発した超高精度ボリュームを使用し、ノブの感触にまで徹底的にこだわったL-509u/L-509fSEでは、全機能をあえて手動操作としています。
プリメインアンプからセパレートアンプにシステムをグレードアップされる方は、当然様々な音質の向上を期待されることと思います。まずはプリ回路、パワー回路がそれぞれ完全に独立した電源や回路ブロックにて構成されることで、微弱電流を扱う箇所とそうでない箇所が明確に分かれ、お互いの影響を隔絶できる部分に大きな質的効果が見込めます。さらに筐体に大きさの余裕が生まれることで大容量のパッシブパーツ(抵抗やコンデンサ)を使用することが可能となり、音質的にもより大胆に踏み込んだチューニングが実施できるメリットがあります。それ以外にも端子や筐体の仕上げにもコストがかけられるようになり、あらゆる意味でのグレードアップが図られることとなります。
定格出力はL-590Aが30W+30W、L-550Aが20W+20Wと最近のアンプからすると控えめなパワーですが、それぞれ最大出力をその数倍の余裕度で設計していますので、通常の使用環境で音量が足りなくなることはまずありません。
外観はシーリングパネルを装備したL-590Aの方がすっきりとしたシンプルなデザインを実現していますが、多くの調節つまみを露出したL-550Aの迫力に魅力を感じられる方も多くいらっしゃると思います。
回路の基本的構成は両機種に大きな差はありませんが、電源と出力素子、ヒートシンクの規模がL-590Aは定格出力に換算して160W相当、L-550Aが130W相当となっており、それぞれかなり大規模な物量を実装しています。両者の電源容量の差は低域の押し出し感の差となって現れており、比較すればL-590Aの力強さに分があるかもしれません。出力素子はL-590Aが3パラレル構成、L-550Aがシングル構成ですので、出力電流の面ではL-590Aの方が3倍有利となりますが、逆にL-550Aにシングル出力の音のクリアさをメリットとして感じる方もいらっしゃるでしょう。
ダンピングファクター(DF)の数値はアンプのスピーカーに対する制動力の性能をあらわしています。
具体的には、アンプの出力インピーダンスがスピーカーのインピーダンスに対して、どれだけ小さいかを数値にしたもので、例えば8Ω負荷時のダンピングファクターが100のアンプの出力インピーダンスは8Ω÷100=0.08Ωとなります。ダンピングファクターの値が小さいと、アンプからスピーカーに送り込んだ音楽信号の電流が逆起電圧を発生させ、それによってスピーカーがまた振動してしまうという現象を引き起こしてしまいます。いわゆる「たるんだ低音」という表現がされるとき、この原因による場合があります。ダンピングファクターの優れたアンプでは、充分に出力インピーダンスが小さいため、スピーカーが再度振動することによるだぶつきが発生せず、本来音楽に含まれていない余計な余韻の無いしまった低音を出すことができるわけです。
元々バランス(XLR)接続は機器間を離して設置しなければならない環境(録音スタジオやコンサート会場など)で使用されているノイズ対策用の配線方法です。HOTとCOLDの反転した2つの信号を同時に伝送し、機器の受け側で伝送時に加わった外来ノイズを打ち消すことで配線を長く引き伸ばすことが可能となります。
一般の家庭では例えばコントロールアンプとパワーアンプを離れた箇所に設置する場合などに有用ですが、現在ではバランス用のミキシングアンプを経由することでの独特の音の厚みを求める方などに、上記の環境以外でも利用されることが多いようです。
ラックスマンでは音質や音色の両面から、プレーヤー→プリ→パワーといった機器間の配線を、バランスかアンバランスのどちらかに統一していただくことをおすすめします。
まず、アンプの定格出力以上の音量が出ていないか確認してください(音量が大き過ぎたり、著しく低い負荷のスピーカーを接続したりすることで安全装置が働く場合があります)。次に、アンプのスピーカー出力部や、スピーカーの入力端子部でプラスマイナスがショートしていないか確認してください(ケーブルの芯線が一本だけほつれて接触しているケースがあります)。改善されない場合、接続しているCDプレーヤーなどをはずしても再現するか確認してみてください。
それでも症状に変化が無い場合はアンプ本体の原因による可能性がありますので、サービスセンターまでお問い合わせください。
様々な原因が考えられますが、まず、ケーブルの接続を再度ご確認ください。
音量の位置によって症状に変化がある場合、ボリュームの接触不良(ガリ等)の可能性があります。それ以外の場合も含め、サービスセンターまでお問い合わせください。
様々な原因が考えられますが、まず、ケーブルの接続や各種調整ボリューム/スイッチが正しい位置にあることを再度ご確認ください。
それでも改善されない場合、入力ケーブルの左右を入れ替えてみて、もし出ない音が左右で入れ替わった場合は、ソース機器(CDなど)の不具合の可能性があります。入れ替わらない場合はアンプの故障のおそれがありますので、サービスセンターまでお問い合わせください。
一部の製品分を除き、原本もしくはコピーの購入が可能です。価格等は本社サービスセンターまでお問い合わせください。
全国各地の取り扱い販売店にて試聴可能です。詳しくは、取り扱い店ページをご覧の上、直接販売店にお問い合わせください。
低域と高域に別々の入力を持ったスピーカーに、それぞれスピーカーケーブルを配線することで、低域を担当するユニットの発生する逆起電力の悪影響が高域側に及ばなくなり、定位や解像度などの音質的向上が得られる可能性があります。
ラックスマンのバランス端子を装備した全ての機種は、下記の配線となっております。
1番ピン:グラウンド(G)
2番ピン:コールド(-)
3番ピン:ホット(+)
なお、コントロールアンプの全ての機種、一部のパワーアンプ、プリメインアンプでは2番ピンと3番ピンを入れ替えるINVERTスイッチが装備されていますので、配線の異なる他社製機器と接続するときに便利です。
一部の製品分を除き、原本またはコピーの購入が可能です。価格等は本社サービスセンターまでお問い合わせください。
製品により、サービスパーツを個別販売できる場合があります。種類や価格等についてはサービスセンターまでお問い合わせください。
増幅回路において、常にトランジスターを動作領域とするためのアイドリング電流を流し続ける回路方式です。それぞれの出力素子が完全な波形増幅を行なうため、B級方式と比べて、クロスオーバー歪が原理的に発生しないなどの方式上のメリットがありますが、それよりも独特の中高域の艶や深みのある音質が、古くから支持され続けています。
最近では1994年のL-580以来11年ぶりとなるL-590AとL-550Aが、新時代の純A級アンプとして大きな話題を呼んでいます。
ACインレットに差し込む電源ケーブルの極性をネオン管の点灯/消灯で検知する機能です。
電源ケーブルをコンセントに接続した状態で、センサーの金属部に指で触れ、ネオン管が消灯していればACの極性が正しい状態です。点灯しているときはACプラグを差し替えて正しい向きに合わせてください。
また、家庭内の屋内配線の状況により、ACプラグの向きに関係なく点灯(または消灯)してしまう場合がありますが、異常ではありません。
電源トランスの容量は、機種ごとにその定格出力や低負荷への対応度などにより様々です。代表的な機種の容量は下記のとおりです。
B-1000f:2,400VA、M-8f:800VA、M-7f:530VA
L-509fSE:700VA、L-590A:680VA、L-550A:540VA
プリメインアンプやコントロールアンプでインプットセレクターに表記されている文字は、接続を想定した代表的なソース機器を表しています。例えばLINE、CD、TUNER、SACD、DVD-Aなどは、全てラインレベルに対応した入力端子になっていますので、それぞれ同様にご使用いただけます。ただし、PHONOと表記された入力端子のみアナログプレーヤーを接続するための専用入力となっていますのでご注意ください。
L-500シリーズなどのプリメインアンプは内部にプリアンプ回路とパワーアンプ回路を独立して設けており、それぞれを個別に動作させることができます。例えばL-505fではリアパネルのPRE-OUT端子とMAIN-IN端子がジャンパーピンで接続(ショート)されていますが、これをはずすことで独立動作が実現できます。
L-505fをプリアンプとして動作させたい場合は、PRE-OUT端子と別途用意したパワーアンプのライン入力を接続します。このとき音量調節はL-505fで行います。
L-505fをパワーアンプととして動作させたい場合は、MAIN-IN端子に別途用意したプリアンプのライン出力を接続します。このときスピーカーケーブルはL-505fに配線します。
コントロールアンプのアース端子の場合、アナログプレーヤーのアース線をここに固定することで、シャーシ間が接続され、ハムが発生しなくなります。パワーアンプなどを含め、それ以外の用途では、他の機器を接続した場合のノイズの低減をはかるためのものです。安全のためのアースではありません。
Only Distortion Negative Feedbackの略で、優れた特性の裸アンプに、出力と入力の差分により検出された歪成分だけをフィードバックする高性能な帰還回路です。
1999年にカーオーディオ用パワーアンプCM-2100に初採用され、その後2000年にコントロールアンプC-7f、パワーアンプM-7fへの搭載で高評価を得ました。2006年現在、バージョンは2.4に進化し、ラックスマンのアンプ製品を支える大切な基幹技術となっています。
生産を完了した製品の情報は生産完了製品の検索ページで製品名、発売年等の情報を元に検索してご覧ください。
ラックスマンでは、基本的には過去の全製品の修理/メインテナンスを受け付けています。実際に修理が可能かどうかは不具合の箇所や度合いによって変わってきますので、一度サービスセンターまでお問い合わせください。
キット製品等、過去の一部の製品について回路図の購入が可能です。種類や価格についてはサービスセンターまでお問い合わせください。
購入から長い時間の経過した製品の場合、発売当初の性能が維持されていない場合があります。劣化した部品の交換やクリーニングを行ない、電気的性能の再測定を行なうことをラックスマンではオーバーホールと呼んでいます。
各機種により、その時々の最も性能が高く、供給の安定した真空管を選別した上で採用しています。
例えばパワーアンプMQ-88では下記の真空管を使用してます。
出力管:KT-88(ロシア ソヴテック製)
電圧管:12AX7(チェコ JJ製)など。
一般的にはKT88や6CA7などの出力管が5,000時間、12AX7や12AU7などの電圧管が10,000時間となっています。
純A級アンプは、電源を入れると常に定格出力時と同じ電力が消費されていますので(音量がゼロでも)、通常のアンプと比べると本体が熱くなります。オーディオラックなどに設置するときは、必ずアンプの上部を20cm以上開けた状態で使用してください。